サホライド

サホライドって何?

サホライドって何?サホライドは、主成分がフッ化ジアミン銀の薬です。
この成分を虫歯部分に塗布することで、虫歯に吸着し進行を遅らせる作用があります。

当院では、サホライドを虫歯の予防処置として使用しています。
すでに進行してしまった虫歯ではなく、あくまでも「初期段階の虫歯」に対しての予防法です。
乳歯が抜け落ちるまで(もしくは本格的な治療を開始するまで)の「つなぎ」としてサホライドの使用が検討されます。

サホライドとフッ素の違いは?

歯に塗布する治療法として、フッ素と間違われることがあります。
サホライドとフッ素では、役割が異なりますので注意しましょう。

サホライドの効果 虫歯になっている歯に塗布することで、虫歯の進行を抑える。
フッ素の効果 酸の生成を抑制して歯の再石灰化を促し、歯のエナメル質自体も強化する。それによって、虫歯を予防する。

フッ素は、基本的には虫歯になる前の歯に塗布する予防処置として用いられます。
一方サホライドは、すでに虫歯になってしまった歯に対して施されます。
これ以上虫歯が進行しないようにするための一時的な対症療法です。

サホライドを塗ると虫歯の箇所が黒くなる!?

サホライドは主に幼児へ使用されます。
サホライドの成分であるフッ化ジアミン銀は、塗布によって歯が黒くなってしまうこともあります。
前歯などに使用すると、治療箇所が黒く目立ってしまうリスクを伴うのです。
そのため、優れた薬効をもつ薬ではあるものの、幼児以外への予防処置としてはあまり行われない傾向にあります。

黒くなるのは虫歯の部分だけで、他の箇所は黒変しません。
そのサホライドの性質を利用して、虫歯の部分を特定する方法として用いられる場合もあります。
虫歯が黒く色付くことで視覚的に虫歯の範囲を判断し、虫歯治療によって削られる歯の量を最小限にできます。
しかし、一般には虫歯検知液が同じ目的として使用されることが多いです。
そのため、サホライドの利用は少ない傾向にあります。

サホライドのメリット・デメリット

メリット

歯に塗布するだけの簡単な処置なので、虫歯治療のように歯を削ったりする必要はありません。
処置は短時間で完了し、痛みを伴うものではないため、小さなお子様でも恐怖心なく塗布できます。
サホライドには殺菌効果があり、知覚過敏も予防できます。
保険適用内での処置となる為、経済的な負担も軽減されます。

デメリット

サホライドは初期の虫歯にのみ有効です。しかし、使用しても、完全に虫歯の進行を食い止められるとは断言できません。定期的に歯医者さんへ通院し、虫歯の進行状態をチェックしていく必要があります。
サホライドが最も懸念されるのは、歯が黒く着色してしまうという点です。
奥歯や前歯の裏側など、見えない部分であればそれほど目立ちませんが、見た目上の問題が生じてしまうことを懸念して、サホライドの使用を推奨しない歯医者さんもあります。

特に永久歯は一生使う歯なので、永久歯にサホライドを使う歯医者さんは少ない傾向にあります。
乳歯であれば永久歯へ生え変わるので大きな問題にはなりません。

痛みを伴う処置では無いものの、サホライドは苦みのある薬なので、苦手意識を持ってしまうお子様もいらっしゃいます。

サホライド塗布後の注意事項

  • サホライド塗布後に、薬を舐めてしまうお子様がいらっしゃいます。唇や頬に薬がついて黒く着色することがあります。一週間ほどで消えますのでご安心ください。
  • サホライドを塗布しても、虫歯が進行してしまうことがあります。そのため、サボライドを塗布した後も、定期検診はとても大切です。
  • 虫歯ができてしまった場合は、食生活をはじめ、歯磨きやその予防処置の頻度など、見直しを図りながら原因を明確にしていきます。お口の中を、虫歯のできにくい環境に保つために、しっかりと予防をしましょう。
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