シーラントって何?
奥歯の虫歯を防ぐための予防処置「シーラント」
奥歯の虫歯予防処置として、フッ素配合の歯科用プラスチック「シーラント」が有効です。
6歳頃になると6歳臼歯とよばれる奥歯が生えてきます。
6歳臼歯の表面には深い溝があり、歯垢(プラーク)が溜まりやすい傾向にあります。
丁寧にブラッシングをしているつもりでも磨き残しが多くなり、虫歯になりやすいのです。
そこで、噛み合わせの面にある溝に、シーラントを流し込んで溝を埋めていきます。
食べかすや歯垢が付着しやすい部分を塞ぐことで、虫歯の発生を抑えられます。
シーラントは保険適用になる?
シーラントは、6〜12歳のお子様に限り保険が適用されます。
初期の虫歯と診断された乳歯、または生えたての永久歯だけが対象です。
13歳以上のお子様や、虫歯のない健康な歯にも使用することはできますが、保険適用外となります。
予めご了承ください。
シーラントをおすすめする時期がある!?
虫歯のなりやすさには個人差もありますが、適応年齢に差し掛かったらシーラントをおすすめいたします。
シーラントをおすすめする時期
- 2歳半〜4歳頃:第2乳臼歯(奥歯)が生える時期
- 6歳前後:6歳臼歯が生える時期
- 12歳頃:12歳臼歯が生えてくる時期
シーラントのメリット・デメリット
シーラントによる予防処置には、メリットとデメリットがあります。
メリット
1虫歯の発生率を下げる
シーラントを使用する目的は、奥歯の虫歯を防ぐことです。シーラントによる予防処置によって、汚れが溜まりにくい状態を作ります。奥歯の表面は複雑な溝があり、その分、磨き残しも多くなります。
特に生えたばかりの歯は溝も深く、虫歯になりやすい傾向にあります。歯質自体もまだ未成熟で柔らかく、虫歯の進行も早いため注意が必要です。
2歯を削らずに済む
虫歯が悪化すれば、歯を削って治療する必要が出てきます。
天然歯は一度削ってしまうと、もう二度と元の姿には戻りません。
シーラントで予防処置をしておけば、歯を削るリスクも軽減されます。
しっかりと対策をして、お子様の大切な天然歯を健康かつキレイな形で残しましょう。
デメリット
1必ず虫歯を防げるわけではない
シーラントをしたからといって、必ず虫歯にならないわけではありません。シーラントによって予防処置をした奥歯は、歯の表面がプラスチックで覆いかぶさり、虫歯の発見が遅くなってしまうこともあります。
シーラント処置の有無にかかわらず、定期検診はとても大切です。
「せっかくシーラントをしていたのに、虫歯ができてしまった」という自体にならないように、定期検診を習慣化させましょう。
2シーラントが取れてしまう可能性もある
歯の表面の溝に歯科用プラスチックを流し込んで、固める処置を行います。
歯を削って形を整える埋める詰め物とは違い、外れてしまうこともあります。
もし外れてしまった場合は、早めに当院へご相談ください。
シーラントの流れ
Step1.歯のクリーニングをする
はじめに歯に付着した汚れをキレイに落とします。
Step2.薬剤を塗布する
歯の水分を拭き取り薬剤を塗布することで、歯にシーラントが接着しやすい環境を作ります。
これで下準備は完了です。
Step3.シーラントを流し込む
凸凹が生じないように、注意しながらシーラントを流し込みます。
歯の表面が滑らかなるように形を整えます。
Step4.シーラントを凝固させる
特別な光を照射することで、シーラントが固まります。
照射時間は約20秒です。
Step5.噛み合わせの確認
シーラントが固まったのをチェックします。
シーラントの処置を施した歯と、他の歯の噛み合わせを確認し、問題がなければ終了です。
シーラント後の注意事項
- シーラントは虫歯になりやすい時期に、虫歯になりやすい箇所へピンポイントで行う予防処置です。
あくまでも虫歯の発生率を軽減させるための方法として行われます。シーラントをしたからといって「絶対に虫歯にならない」わけではありません。毎日の歯磨きは怠ることなく、日々欠かさずに口腔ケアを行いましょう。 - シーラントの材料はプラスチックやセメントです。噛み合わせによって強い力が加わると、割れる可能性もあります。また、毎日の食事などで徐々にシーラントが剥がれてくることもあります。剥がれて隙間が出来てしまうと、その箇所には汚れが溜まりやすいです。
定期的に歯医者さんでチェックをしてもらい、必要に応じて再処置をしてもらいましょう。 - シーラントは奥歯の虫歯になりやすい時期(乳歯や生えたての永久歯)に有効的な予防処置です。
虫歯のリスクが低い年齢にさしかかれば、シーラントの再処置は不要と判断します。 - シーラントはすべての歯(また、歯の全体)を覆うことはできません。
他の歯が虫歯になってしまうリスクもありますので、定期検診が重要であることに変わりはありません。
当院で継続的に歯の健康状態をチェックし、清潔な口腔環境を維持できるようにしましょう。