大人でも「痛い・怖い」というネガティブなイメージをもたれてしまう歯医者さん。
何をされるか理解できないお子様は、もっと不安な気持ちでいっぱいになります。
「歯医者さんには行きたくない」とネガティブなイメージを持ってしまっては、健康な歯を維持するための通院が難しくなり、治療も先延ばしになってしまいます。
その分、虫歯進行のリスクは高まり、将来的に健康な歯を残せる可能性も低くなってしまいます。
くすべ歯科では、お子様がリラックスできる雰囲気と対応を心がけ、落ち着いて治療を受けられる環境づくりを行っています。
まずはコミュニケーションから
くすべ歯科では、まずはお子様との信頼関係を築くことを大切にしています。
お子様のペースに合わせて、少しずつ心を開いてもらえるように、じっくりとコミュニケーションを取っていきます。
お子様と向き合いながら、どんなことが嫌いなのか、苦手なのかを理解していきます。
例えば、お口を開けたがらないお子様は、治療器具に抵抗がある場合が多いです。
治療ではエアーやバキュームを使用しますので、実際に触ってもらったり、弱いエアーを手や足などにかけてあげながら、段階を踏んで苦手意識をなくしていきます。
慣れるまでのスピードはお子様それぞれで異なります。
あくまでもお子様のペースに合わせて進めていくことが大切です。
チェアに座ってみる
次に、お子様に診療用チェアに座ってもらい、診療室の空間に慣れていただきます。
座れなければ治療をすることは困難ですが、座るのを嫌がるお子様は多いです。
治療器具や診察室をじっくりと観察してもらうことで、徐々に心の準備が整っていきます。
口を開けてみる・口に器具を入れてみる
歯科用ミラーを口に入れて、大きく口を開けるトレーニングをはじめます。
歯医者さんに慣れてもらうためのトレーニング方法として、「TSD法」というものがあります。
- 「Tell」―言って
- 「Show」―見せて
- 「Do」―やらせて
を取り入れたトレーニング方法です。
TSD法では、歯科用ミラーを
- 「お口の中に鏡を入れる」と言う【Tell】
- 鏡を実際に見せる【Show】
- 実際に自分で鏡をお口の中に入れる【Do】
の3段階で行います。
「ママにお口の中見せて〜」とお口を開けさせるのではありません。主役はあくまでもお子様です。
お子様が自分で、自分のお口の中に鏡を入れるようにすると効果的です。
お子様がお口の中に鏡を入れることができたら、ぜひ褒めてあげてください。
子供は褒められると嬉しくて、何度も繰り返したくなります。
何度か鏡を口の中に入れることができるようになったら、次のステップへ進みます。
お子様に「ママにも少しだけ貸して?」と、お子様の持っている鏡に手を添えたら、またすぐに離して返してあげます。持たせてくれたことを喜びながら、再度、お子様を褒めてあげます。
このやりとりを繰り返すうちに、お子様は鏡でお口の中を見ることを許してくれるようになります。
歯科用ミラーの次は、歯科用ハンドピース(ドリルを付けていない状態で)をお口の中に入れてみましょう。
このとき、お子様がお口を大きく開けた状態で待っていられるようになったら、トレーニングは完了です。
お子様の年齢、性格に合わせて、トレーニング内容を工夫していきます。
トレーニングの成果で治療開始
トレーニングのステップを概ねクリアし、治療に対して協力的な状態に落ち着いてきたら、治療を開始します。
お父様・お母様には、治療に入る前の段階で、どんな治療を行うのかを丁寧に説明いたします。
なるべく、わかりやすくお伝えできるように努めておりますので、不明なことや不安なことがありましたら遠慮なく質問してください。
中には虫歯等で痛みが強く、日常生活に支障をきたすほどの症状が出ているケースも少なくありません。
その際は、トレーニングをする時間的余裕がない場合もあります。予めご了承ください。
定期的な検診を心がけ、早期発見・早期治療できるような環境を親御様と一緒に作っていくことができたら嬉しいです。
親御様へのお願い
お子様の治療前に気をつけたいポイント
うそをついて連れてこない
歯医者さんに連れていくために「痛いことはしないよ」「見るだけだから大丈夫だよ」などと、うそをついて連れて行くのはやめましょう。
実際に行ってみたら「治療をされた、だまされた」と、嫌な経験として歯医者さんのイメージが植えつけられしまいます。
結果、余計に歯医者さん嫌いになってしまいます。
「歯医者」という言葉を脅しで使わない
例えば、お子様が言うことを聞かなかったり、わがままを言ったり困らせるようなことがあったとき「歯医者さんに連れて行くよ」と仰る親御様がいらっしゃいます。
歯医者さんがお仕置きをする所と認識させてしまうような叱り方はやめましょう。
たとえ歯医者さんで嫌な思いを経験したことがなくても、歯医者さんを嫌いになってしまいます。
親御様もリラックスをしましょう
お子様がきちんと診察を受けられるか、親御様自身も心配だと思います。
しかし、親御様が緊張しているとお子様にもその緊張はうつります。
待合室では絵本を読んだり、おしゃべりをしたりして、リラックスしてお待ちください。
治療は、お子様の体調と機嫌のよい午前中がおすすめです。
お昼前の空腹時や午後のお昼寝の時間は極力避け、お子様の状態が良い時間帯の受診をおすすめしています。