親御さんが心配している子供の口臭の原因は?
お子様の口臭の原因には、どのようなものがあるのでしょうか。
口の中に原因がある場合と、口以外に原因がある場合に分けて、代表的なものをご紹介します。
口の中の原因
セルフケア・仕上げ磨きが不十分
大人がそうであるように、セルフケアが不十分だと、食べかす、口腔内のプラーク、またプラークに潜む細菌が多くなり、口臭が強まります。仕上げ磨きの不足も同様です。
虫歯
乳歯、生えたばかりの永久歯は、虫歯になりやすい状態にあります。虫歯ができるということは、虫歯菌(ミュータンス菌など)がたくさんお口にいるということですので、虫歯菌が発するガスによって口臭が強くなります。
口腔の乾燥
口呼吸、ストレス、よく噛まない、歯並びの乱れなどによって口の中が乾燥していると、唾液が持つ「自浄作用」がうまく働かず、口臭が強くなります。
また、緊張したとき、空腹のとき、起床してすぐは、唾液の分泌が低下しているため、口臭が強くなります(生理的口臭)。
口以外の原因
風邪・アレルギーによる扁桃腺の炎症
風邪やアレルギーによって扁桃腺が腫れると、その炎症によって口臭が強くなることがあります。
副鼻腔炎
副鼻腔炎によって副鼻腔に膿が溜まると、その膿のにおいが口臭となって放たれます。
胃腸の不調・病気
食べ物がうまく消化されずに異常発酵を起こし、口臭が強くなります。
口臭をチェックしてみましょう!
普段意識しない(臭いと思わない)口臭も、以下のような方法で、ご家庭でチェックすることができます。
コップを使う方法
コップの中に息を吐き、吐き切ると同時に手で蓋をします。深呼吸をしてから、手をどけてコップの中をにおいます。
舌苔を拭う方法
舌ブラシで舌苔を優しく拭い取り、そのにおいを嗅ぎます。
舌ブラシがない場合には、綿棒でも代用できます。
市販の口臭チェッカーを使う方法
数千円程度しますが、口臭チェッカーを購入し、口臭を計測する方法です。使用方法はタイプによって異なりますので、説明書を読み、正しく使用してください。
通常、口臭のレベルが数値で表示されます。より客観的な評価が可能です。
子供の口臭の治し方
お子様の口臭も、原因に応じた治療・対策によって改善が可能です。
口以外の病気・不調が原因になっていると思われる場合には、各専門の医療機関をご紹介いたします。
セルフケア・仕上げ磨きの改善
歯科医院で歯科衛生士の指導を受け、セルフケア・仕上げ磨きの方法を改善しましょう。自己流ではなかなか難しいので、お気軽にご相談ください。汚れを取ろうと「強く磨く」のはNGです。
虫歯治療
虫歯を原因としている場合には、その治療を行います。並行して、セルフケア・仕上げ磨きの改善に取り組んでいけば、虫歯の再発防止にもなります。
口呼吸の改善
口呼吸は、お口まわりの筋肉を鍛えることで改善が期待できます。
トレーニング方法を指導しますので、ご自宅で実践してください。
矯正治療
歯並びの乱れによって口腔の乾燥が起こっている場合には、矯正治療によって、その改善が期待できます。
よく噛まないことへの対策
やわらかいものばかりを食べていると、どうしても噛まない癖がついてしまいます。年齢に応じて、適度に硬いものも食べさせるようにしましょう。
キシリトール入りのガムを噛ませるなどして、唾液の分泌を促す方法も有効です。おやつにも代用できますね。
生理的口臭への対策
緊張したとき、空腹のとき、起床してすぐは唾液が少なくなるため、「生理的口臭」がします。特に治療は必要ありませんが、水を飲むなどの方法で改善できます。ただ、いずれも時間の経過や食事を摂ることで解消されますので、過度に気になさらないでください。
歯磨きが苦手な子はブクブクうがいをやってみよう
歯磨きがどうしても苦手なお子様には、「ブクブクうがい」をさせてください。
小さなお子様には少し難しく、おおよそ3歳くらいから取り組んでいただけます。
口臭・虫歯予防だけでなく、お口まわりの筋肉のトレーニングとしても有効です。
歯磨きができるようになってからも、継続していただくことをおすすめします。
ブクブクうがいの練習から実践までの流れ
- まずは「空気うがい」で練習します。口の中に空気を溜め、両頬をぷくっと膨らませ、5秒間維持します。
- 次に、片方の頬だけを膨らませ、5秒間維持します。終われば、反対側の頬を5秒間膨らませます。
- 「②」を繰り返します。口の中で空気を移動させることで、口を開かずに右、左、右…と繰り返せるように練習しましょう。ここまでが「空気うがい」です。
- 空気うがいができるようになったら、水を口に含んだ状態で、「③」を20~30秒行います。これがブクブクうがいです。毎日続けているうちに、徐々にスピードを上がってきます。