ぶつけて乳歯が折れた・欠けた・抜けた
走っている最中に転んだ、ボールやお友達とぶつかったという事故で、乳歯が折れた・欠けた・抜けたというときには、どうすればいいのか分からない方が少なくないかと思います。
早期に適切な治療を行えば、元通りに近い形で歯を残せる可能性があります。一番ダメなのが、そのまま放置しておくことです。できるだけ早く、歯科医院を受診してください。
乳歯が折れた・欠けた
乳歯が折れた、欠けたというとき、その破折片(折れた・欠けた先の歯の破片)があれば、接着できることがあります。
まずは応急処置
破折片の乾燥を防ぐため、歯牙保存液・牛乳・生理食塩水のうちすぐに手に入るものに浸けて、歯科医院を受診してください。歯牙保存液は、薬局で売られています。
乳歯が折れた・欠けた場合の治療法
接着
欠け方が小さく、破折片がきれいに残っていれば、歯科用の接着剤で接着します。
修復
破折片がない場合には、レジンを使って修復します。
神経の治療
歯が大きく折れて神経が露出している、神経が感染するおそれがある場合には、神経を取り除く治療を行います。
乳歯が抜けた
乳歯が抜けてしまった場合も、再植ができることがあります。
まずは応急処置
抜けた歯の根っこの方は触らないでください。歯の根を覆っている歯根膜が傷つき、再植が難しくなります。
歯冠部を持って拾い、流水に10秒ほどあてて汚れを落としたら、折れた・欠けたときと同様、歯牙保存液・牛乳・生理食塩水のいずれかに浸けて歯科医院を受診してください。なお歯を飲み込んでしまう可能性がない年齢のお子様であれば、歯をお口に含んでお越しになっても結構です。
乳歯が抜けた場合の治療法
再植
抜けた歯を、元の位置で固定します。歯根膜の状態が良ければ、3~4週間ほどで安定します。
再植できなかった場合
再植できなかった場合、永久歯への生え替わりを待つことになります。
生え替わりまでの期間が長い場合には、歯並びの乱れを予防するため、部分入れ歯を使用することがあります。
ケガをした乳歯をそのままにしておくと…
折れた・欠けた乳歯をそのまま残していると、そこから感染を起こし、最終的に歯を失ってしまうことがあります。また折れた・欠けた歯は鋭利になっているため、舌や唇を傷つけるおそれもあります。乳歯が抜けたままの放置も危険です。抜けた穴で感染を起こし、永久歯への生え替わりに影響を及ぼすことがあります。もちろん、本来ないはずのスペースができたことによる歯並びの乱れも心配です。
乳歯が折れた・欠けた・抜けたとき、また見た目で問題なくても強くぶつけたときには、必ず歯科医院を受診するようにしてください。