子供がご飯を噛まずに食べている
子供の頃に「よく噛んで食べなさい」と言われた経験のある方も多いのではないでしょうか?
十分な咀嚼は、消化を良くするだけでなく、顎の適切な発達、脳への刺激なども期待できます。しかしお子様に、「よく噛んで食べなさい」と言うだけでは、なかなかうまくいきません。このページでは、なぜ子供は食べ物をよく噛まないのか、どうすれば噛んでくれるのかといったことを解説していきます。
よく噛まない子供の原因
お子様がよく噛まない原因としては、以下のようなことが考えられます。
食事に集中できない環境
テレビが点いている、おもちゃが近くにある、家族が違うことをしているといった環境では、どうしても気が散り、噛む回数が減ってしまいます。
食事と家族とのコミュニケーションを中心とした環境を整えましょう。
お腹が減っていない
食事の時間が不規則、間食が多いといったことでお腹がすいていないと、ダラダラと食べることになり、噛む回数が減ります。
三食と間食の時間はできる限り規則正しくして、余計なおやつなどを食べ過ぎないようにしましょう。
噛まないで飲み込めるものばかり食べている、飲み過ぎ
やわらかいものばかりを食べていたり、飲み物で空腹を満たしていると、噛む習慣が薄れてしまいます。
同様に、「食べやすいから」と食材をすべて小さくカットし過ぎるのもよくありません。ときにはお肉や繊維質の多い野菜などを噛み切って食べる、かぶりついて食べるといったことも、咀嚼・嚥下の練習になります。
麺類が多い
麺類はすすって食べることが多く一度にたくさんお口に入ります。またやわらかいものが多いため、やはり噛む回数が少なくなってしまいます。
よく噛んで食べることのメリット
お口の健康維持と向上
噛むことで唾液の分泌が促進され、自浄作用・再石灰化作用がよく機能するため、虫歯の予防になります。また、顎の適切な発達が促されるため、歯並びの乱れの予防という意味でも有効です。
胃腸の負担軽減、身体の成長促進
食べ物を細かくして飲み込むため、胃腸の負担が軽減されます。また、胃腸を通るあいだの栄養吸収効率が良くなるため、身体の成長も促進します。
脳への刺激、ストレス軽減
噛むことで、脳が活性化され、集中力のアップなどが期待できます。また、ストレスの軽減に寄与する成分が脳内で作られます。
食べ過ぎ防止
噛むことで満腹中枢が刺激され、食べ過ぎを防ぐことになります。将来的な肥満・生活習慣病の予防につながる、大切な習慣です。
よく噛まない子供の対処法
よく噛まないお子様には、一度以下の方法を試してください。少しずつ改善されていくものですので、焦らず、根気強く続けることが大切です。
適度に硬いもの、食べにくいものなどを食べさせる
年齢に応じてではありますが、適度に硬いもの、食べにくいものを与えることで噛む力が鍛えられます。
リンゴ、ごぼう、肉、タコ、とうもろこし、スペアリブなど、少し食べるのに苦労するものもときどき食事に取り入れましょう。
家族が手本を見せる
お子様は、家族の習慣を実によく観察しています。普段からご家族がしっかり噛んでいる姿を見せることも大切です。
食事に集中できる環境を整える
家族が揃って食卓につく、テレビを点けない、おもちゃを片付けておくといったことで、食事とコミュニケーションに集中できる環境を作りましょう。
飲み物を与え過ぎない
食事のときには、お茶などを一緒に飲むというご家庭も多いかと思います。飲み物で食べ物を流し込んでいる様子が見られる場合には、コップ一杯だけにするなどして、飲み物を与えすぎないようにしましょう。