子供がフロスを使うのはいつから?
フロス(デンタルフロス)は、歯科先進国では歯磨きとセットで行われているセルフケアです。近年、ようやく日本でも身近なものとなり、使用する人が増えてきました。
ただ、まだ「デンタルIQが高い人が自主的に使うもの」というイメージがぬぐい切れておらず、使用されている人は限られます。また、お子様の使用率があまり高くありません。
フロスは、大人だけが使用すればいいものなのでしょうか?
大人だけでなく子供にも必要なもの
フロスは、歯ブラシが届かない歯間のプラークを落とすデンタルケアグッズです。そのため、大人だけでなく、お子様のお口の健康維持のためにも必要なものです。
最初は親御様のサポートも欠かせませんが、虫歯予防、そして将来の歯周病予防のためにも、ぜひ親子揃ってお使いください。
乳歯の奥歯が生え揃う2歳頃からのスタートが理想的
幅のある奥歯ほど、フロスはその威力を発揮します。お子様は、乳歯の奥歯が生え揃う2歳頃からのフロスデビューがおすすめです。
このページでは、フロスの選び方、使い方もお伝えしますので、ぜひ最後までご覧ください。
フロスを使用するメリット
プラークを効率的に除去できる
歯ブラシとフロスを併用することで、プラークの約9割を除去できます。歯ブラシだけであれば約6割しか除去できないことを考えると、フロスの併用はとても効率的なセルフケアといえます。
虫歯、歯肉炎、口臭を予防できる
プラークのほとんどを除去できることから、虫歯や歯肉炎、口臭の予防に役立ちます。
将来的な虫歯・歯周病の予防ができる
子供の頃からフロスを併用することで、それが当たり前の習慣となります。
親御様の手を離れてからも正しいセルフケアが維持され、将来的な虫歯・歯周病の予防に役立ちます。
虫歯の早期発見に役立つ
フロスを使うことが習慣になると、ちょっとした引っかかりにも気づけるようになります。虫歯によって生じた段差を感知し、早期発見に結びつけることができます。
おすすめのフロス・フロスの選び方
フロスにも、さまざまな種類があります。グルグルと巻いてあり、必要な長さを切って使用する「糸巻(ロール)タイプ」は基本的に大人向けです。小学校高学年か、中学生になってから使いましょう。
小さなお子様には、以下のようなフロスがおすすめです。
ホルダータイプのフロス
持ち手があり、その先のU字になっている部分にフロスがピンと張ってあるタイプです。前歯に使いやすいもの、奥歯に使いやすいものが、それぞれ市販されています。
糸巻タイプとは異なり、取り出してすぐに使えるのも便利です。
色のついたもの、香りがついたもの、味がついたもの
お子様向けのホルダータイプのフロスには、さまざまな持ち手の色で目を楽しませるもの、香りがついたもの、味がついたものが市販されています。
お子様が、より楽しみながらセルフケアに取り組むことができます。
フロスの使い方
ホルダータイプ、糸巻(ロール)タイプのフロスの基本的な使い方です。
受診されたときにも指導いたしますので、分からないことがあれば、お気軽にお尋ねください。
ホルダータイプ
- フロスを歯間にゆっくり差し込みます。
- 歯の根元の歯茎に当てたところから、歯面の汚れを上にかき出すように、フロスを擦りながら動かします。
これを、両サイドの歯面に対して行います。 - すべての歯間で、①~②の工程を繰り返します。奥歯の裏側も忘れずに!
※前歯用、奥歯用のものがありますので、使い分けるとより効果的です。
糸巻(ロール)タイプ
小学校高学年、中学生以上になれば、糸巻タイプも正しく使えるようになります。
- 30~40センチの長さに切り、両手の人差し指または中指に巻き付けて固定します。
- フロスをピンと張った状態で、歯間にゆっくり差し込みます。
- 歯の根元の歯茎に当てたところから、歯面の汚れを上にかき出すように、フロスを小刻みに動かします。これを、両サイドの歯面に対して行います。
- すべての歯間で、②~③の工程を繰り返します。奥歯の裏側も忘れずに!
※すぐにフロスがボロボロになって使えなくなる、歯間が狭く出し入れに苦労するという場合には、ワックス加工されたものがおすすめです。歯間にスルリと入り、滑らかに使用できます。