子供の歯が虫歯になるメカニズム
産まれてすぐの赤ちゃんのお口には、虫歯の原因となる虫歯菌が存在しません。この時点では、虫歯になるリスクは「ゼロ」なのです。
しかし、その後の日常の中で、虫歯菌を持つ人からのキス、食器の共用などを介して感染し、ここから虫歯リスクが発生します。お子様のために熱い料理を「フーフー」と息を吹きかけて冷ます行為も、感染の原因になると言われています。
生涯虫歯菌に感染しないということは現実的に難しいものの、感染のタイミングを遅らせるのはとても大切なことです。感染の可能性がある行為はできるだけ避け、お子様のお口の健康を守ってあげましょう。
子供の虫歯は進行が早い!?
乳歯は永久歯よりもエナメル質が薄く、またやわらかい性質を持っています。そのため、虫歯が発生しやすく、しかも進行が早くなります。
また、進行が早いために初期症状(虫歯部分黒っぽい変色)に気づけないこと、痛みの感覚が未発達であることから、発見も遅れがちです。
大人であれば、見た目や痛みで感覚的に「虫歯かもしれない」と考えることができますが、お子様の場合はなかなかそれができません。
定期検診に通いながら、ご家庭では仕上げ磨きのときにお口をチェックし、虫歯の予防・早期発見に努めましょう。
虫歯になりやすい状況になっていませんか?
虫歯予防のためには、虫歯になりやすい状況をつくらないことが大切です。
特に、以下の点に気をつけてあげてください。
糖の摂取回数が多くなっていませんか?
同じ量の糖を摂取する場合、1回でまとめて摂取するよりも、複数回に分けて摂取する方が、虫歯リスクは高くなります。もちろん、朝・昼・晩の食事の回数を減らすという意味ではありません。注意していただきたいのは、間食の回数です。
少量であっても1日に何回も間食をすると、それだけ虫歯リスクが高くなってしまいます。間食は多くて1日一回、それも決まった時間にとらせるようにしてください。
だらだら食べていませんか?
朝・昼・晩の三食も間食も、だらだらと食べると歯の再石灰化が追い付かなくなります。
早食いはいけませんが、必要以上に時間をかけて食べるようなことは避けましょう。特に間食の場合、ゲームをしながら、漫画を読みながらだと、ついついだらだらと食べてしまいます。
テーブルについて食べる、家族と一緒に食べる、短い時間で食べきれる量だけ出すといったことで、だらだらと食べる状況を避けてください。
歯磨き嫌いになっていませんか?
特に小さなお子様は、歯磨きの重要性を大人のように正しく理解することはできません。
「一緒に磨こうか」と優しく声をかけたり、仕上げ磨きのときに楽しい歌を歌ってあげるなどして、歯磨きを当たり前のもの、楽しいものと考えられるようにサポートしてあげてください。
家族の虫歯を放置していませんか?
虫歯菌は、ほとんどのケースで親御様から感染します。
キスや食器の共用を避けるとともに、少しでも感染のリスクを下げるために、親御様、ご家族様もきちんとご自身の虫歯治療に取り組んでください。
子供の虫歯の進行別治療法
虫歯の進行レベルによって、症状や治療法が異なります。
※このテーブルは横にスクロールできます。
進行レベル | 症状 | 主な治療法 |
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C0 エナメル質を表面的に溶かした虫歯 |
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C1 エナメル質に穴をあけた虫歯 |
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C2 象牙質まで進行した虫歯 |
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C3 神経まで進行した虫歯 |
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C4 歯の根っこまで進行した虫歯 |
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虫歯予防で治療をしない歯・再治療にならない歯に
乳歯は、虫歯が発生しやすく、かつ進行しやすいため、永久歯とは少し違った予防が必要になります。また治療の際にも、永久歯への生え替わり、顎の成長などを考慮した治療法の選択を行わなければなりません。 主に永久歯列期の患者様を診療する一般歯科と比べて、より長期的な視点での診療が求められます。お子様の口腔の健康を適切に維持していくためには、そういった視点から診療することに慣れ、専門的な知識を持った小児歯科へのご相談をおすすめします。
くすべ歯科の小児歯科では、「今」だけでなく「未来」を視野に入れてお子様のお口を診療します。お子様連れでも通いやすい環境も整えておりますので、どうぞ安心してご相談ください。