子供の指しゃぶりはいつから始まっているのか?
指しゃぶりは、ほとんどの赤ちゃんに見られる癖(習慣)です。多くは、生後2~3ヵ月頃に始まります。
精神の安定のための役割も担っているため、無理にやめさせるべきではないというのが一般的な認識です。
しかし中には、指しゃぶりが歯並びの乱れの原因になっているケースが見られます。適切な時期を見計らい、できるだけストレスにならないようにやめさせてあげることが大切です。
指しゃぶりはいつまでにやめさせるべき?
では、指しゃぶりはいつまでにやめさせるべきなのでしょうか?
4歳以降の指しゃぶりは、歯並びへの影響が懸念されます
1~2歳頃の指しゃぶりは、歯並びを含めたお口の健康への影響はないと言われています。しかし、4歳以降になると、指しゃぶりによって歯に不正な力がかかり、歯並びに影響してしまうことがあります。
できる限り3歳頃までにやめさせましょう
4歳になっていきなり「今日からやめようね」と言っても、そううまくはいきません。そのため、少し余裕をもって、3歳頃までに指しゃぶりをやめさせるつもりでいましょう。
やめさせるときの方法も、このページの最後にご紹介いたします。
子供が指しゃぶりをしている4つの理由
お子様が指しゃぶりをしてしまう理由には、主に以下の4つが挙げられます。
眠たい時や安心したい時に出るサイン
眠たいとき、少し緊張して安心を得たいときなど、指しゃぶりをします。
お布団に連れていったり、手を握ったりして安心させてあげると、指しゃぶりをやめることがあります。ただ、もちろん確実なものではありませんので、安心させたからといって「どうしてやめないの?」とは考えないようにしましょう。
癖になっている
赤ちゃんは、口や指といった敏感な器官を使って、世の中の物を自分なりに感じ取ろうとします。おもちゃを口に入れようとすることもありますね。
それが癖となって、指しゃぶりをしてしまうケースです。
ただ遊んでいるだけ
「癖になっている」と関連しますが、眠いわけでも不安なわけでもないのに、近くにおもちゃなどがないために指しゃぶりをして遊びの代用をしているケースです。
おもちゃを与えてあげたり、手を使って遊んであげると指しゃぶりを一時的にやめることが期待できます。こういったことを繰り返していき、癖をとってあげることも大切です。
メンタル面からの影響
ストレスが溜まっている場合など、精神を安定させるために指しゃぶりをしてしまうと言われています。ただ、これまでご紹介したように、指しゃぶりをする理由は1つではありません。指しゃぶりをするからといって、子供がストレスを抱えている、愛情が足りていないというふうに考える必要はありません。
子供の指しゃぶりは歯並びに影響する!?
4歳以降の指しゃぶりは、以下のような影響を及ぼす可能性があります。
ただ、4歳になってもやめられなかったから必ず歯並びが乱れる、というものではありません。歯科医院と協力し、お子様へのご負担とならない形で、できるだけ早くやめられるようにしましょう。
出っ歯、受け口
痛みの少ないマウスピース矯正で歯が動くことからも分かる通り、指しゃぶり程度の力であっても、その力のかかる期間が頻繁であったり長期に及ぶと、歯並びに影響をきたします。
上の前歯や下の前歯が傾斜し、出っ歯や受け口の原因となることがあります。
開咬
「開咬」とは、奥歯を噛んだときに、上下の前歯のあいだに、空間が生じてしまう状態です。
食べ物を正しく噛むことが難しくなり、発音への支障も心配です。食べる、喋ることを練習している時期に、その正しい方法を身に付けておかないと、身体の発育や社会性の発達などに影響することもあります。
また、胃腸への負担が大きくなります。
交叉咬合
「交叉咬合」は、上の歯列と下の歯列が、左右方向にズレている状態です。顎のバランスが乱れることで、身体のゆがみや顎関節症の原因になることもあります。
顔貌への影響(左右差)も懸念されます。
子供の指しゃぶりを治す方法
指しゃぶりをすぐ、簡単にやめさせる方法はありません。
以下のような方法を根気強く続けて、できるだけお子様の負担にならないようにしてあげましょう。
気を逸らせるおもちゃを持たせる
つみきや車のおもちゃ、絵本など、何でも構いませんが、興味のあるもので遊んでいるあいだは指しゃぶりが起こりにくくなります。
「よくないこと」であると伝える
「もうお兄ちゃん(お姉ちゃん)なんだから/もう3歳なんだから、指しゃぶりはやめようね」とお子様自身の成長を意識させる方法です。入園、誕生日、弟や妹の誕生などをきっかけにしてあげるのもよいでしょう。
ストレス・不安を和らげる
甘やかしてください、ということではありませんが、ストレス・不安を抱えていると思ったら、スキンシップをとったり、優しい言葉をかけて、安心できる環境をつくってあげるようにしてください。
下の子がいる場合には、意識して独り占めできる時間を
下の子が産まれると、上のお子様が赤ちゃん返りをして、指しゃぶりをやめられない・再開することがあります。
お兄さん・お姉さんになった意識を持つのは心の成長において重要なことですが、ときどき、下の子が寝ているときなどに、親御様を独占できる時間を作ってあげましょう。