顎が痛い!子供が訴える痛みの考えられる3つの原因
お子様が顎やそのまわりに痛みを感じる原因として、主に以下の3つが挙げられます。
顎関節症
ストレスや歯ぎしり、噛み合わせの乱れなど、さまざまな原因が絡み合って発症します。
口を大きく開けられない、カクカクという異音がするといった症状も見られます。
流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)
ムンプスウイルスへの感染によって起こる病気です。耳下腺で炎症が起こり、同時に痛みを伴います。
その他、耳下腺の腫れ、発熱、食べ物を飲み込むときの痛みなどの症状も見られます。
反復性耳下腺炎
耳下腺の炎症が繰り返される病気です。免疫力が低下したタイミングで、口腔内の細菌が耳下腺へと移動して発症します。
顎(耳下腺)の痛みや腫れ、発熱、食べ物を飲み込むときの痛みなどが繰り返されます。
その他の可能性のある顎の痛み
その他にも、以下のような原因によって、顎の痛みを感じることがあります。
溶連菌感染症・咽頭炎・扁桃炎
いずれも、ウイルスや細菌の侵入を原因として起こる病気です。耳の後方にあるリンパ節で炎症・痛みが起こり、顎の痛みとして感じられることがあります。
顎下腺唾石症
唾液腺のうちの1つ、顎下腺で生じた石が詰まり、顎下腺が腫れ、痛みを感じます。
ストレス
ストレスを原因として歯ぎしりが起こり、顎の筋肉に痛みを感じることがあります。
虫歯・親知らず
虫歯、親知らずによる炎症など、口腔トラブルによって生じる痛みを、顎の痛みとして感じることがあります。
心臓疾患
可能性としては低いものの、心筋梗塞や狭心症といった心臓疾患による痛みが、顎に拡大することがあります。
子供の顎関節症の症状
- 口を大きく開けられない
- 顎が痛い、口を開けると痛い
- 顎からカクカクと異音がする
顎回りの症状としては、上記の3つが挙げられます。その他、全身症状として頭痛、肩こり、腰痛、めまいなどを伴うこともあります。
子供の顎関節症の原因
- ストレス
- 歯ぎしり
- 歯並び、噛み合わせの乱れ
- 左右どちらかの顎で噛む癖
- 姿勢の悪さ
- うつぶせ寝
- 頬杖
- 管楽器の演奏などによる顎への負担
- スポーツによる筋肉の発達の左右差
顎関節症は、上記のようなさまざまな原因が、複雑に絡み合って発症するものと考えられています。
子供の顎関節症の治療
主に、以下のような治療法があります。 当院では、問診や検査にてできる限り原因を絞り込み、適切な治療を提案します。
顎関節症の場合
スプリント療法
マウスピースの使用によって、顎の筋肉の緊張を和らげます。歯の擦り減りも予防できます。
お口まわりの筋肉のトレーニング
舌、唇、頬など、お口まわりの筋肉の適切な発達を図ることで、顎が正しく機能するようサポートします。
矯正治療
歯並びや噛み合わせに問題がある場合には、矯正治療を行います。
耳下腺炎の場合
耳鼻咽喉科を受診し、治療を行います。解熱鎮痛剤による対症療法が基本となります。症状によっては、点滴が必要になることもあります。
耳下腺炎が疑われる場合には、耳鼻咽喉科をご紹介します。
子供の顎関節症の予防法
原因となり得るリスクを、できる限り回避することが重要です。姿勢に正したり、うつぶせ寝や頬杖をやめさせたりといったことは、ご家庭で普段から気をつけていくことが大切です。
歯並び・噛み合わせの乱れなどについては、歯科医院で治療します。お子様の歯ぎしりは通常それほど心配する必要はありませんが、場合によってはナイトガードを使用するといった対策を行います。