ぶつけた歯がぐらぐらしている
遊んでいるときにこけるなどして、お口を見ると歯がぐらぐらしている…。
こんなとき、親御様はさぞご不安になるかと思います。しかし、適切な治療を行えば、再び歯を安定した状態に戻すことが可能です。ぶつけてぐらぐらした歯に気づいたときには、すぐに当院にご相談ください。
なお、歯がぐらぐらしていることを「歯の亜脱臼」といいます。
歯の根を覆う歯根膜が一部断裂し、顎の骨から歯がはずれかかっている状態です。衝撃によって、外から見えない歯の根が割れていることもあります。
たいしたことはないとぶつけた歯を放置していませんか？
ぐらぐらしていない、歯が欠けてもいないからといって、ぶつけた歯を放置するのは危険です。
放置した結果、以下のようなトラブルが後々に見つかることがあります。強くぶつけたときには、そのときの症状の有無に関係なく、できるだけ早くご相談ください。
歯の根の破折
外から見て問題なくても、歯の根が割れていることがあります。
神経を損傷している場合には、抜歯が必要になることもあります。
歯の変色
神経の損傷による、歯の変色です。放置すると、神経が死んでしまい、根管治療が必要になります。
さらに時間が経つと、歯の根で炎症を起こし、抜歯せざるを得ない状況になることもあります。
生え変わり後の歯並びの乱れ
乳歯の位置がずれるなどして、その下の永久歯が正しくない位置・向きに生えてしまうことがあります。
歯がぐらぐらしている場合の治療法
隣の歯を支えとして、ぐらぐらした歯を固定します。2～3週間をかけて、安定が取り戻せます。
ただし、歯の根が歯茎寄りの位置で割れている場合、斜め・縦に割れている場合には、抜歯せざるを得ないこともあります。
子供が歯をぶつけた際の応急処置
歯がぐらぐらしているときには、できるだけ触らず、そのまま歯科医院を受診してください。
歯が欠けた・折れた、歯が抜けたときの応急処置は以下の通りです。
いずれの場合も、事前に電話で連絡しておくと、スムーズな案内が受けられるかと思います。
歯が欠けた・折れた場合
破折片（欠けた・折れた先の歯）を拾い、歯牙保存液・牛乳・生理食塩水のいずれかに浸けて、すぐに歯科医院を受診してください。
歯牙保存液は、薬局で購入できます。
歯が抜けた場合
抜けた歯を拾い、流水で10秒ほど洗ってから、歯牙保存液・牛乳・生理食塩水のいずれかに浸けて、すぐに歯科医院を受診します。なお、その際に歯の根の方は触らないでください。歯の根を覆う歯根膜が傷つくと、再植が難しくなるためです。必ず、歯冠部（普段外から見えている部分）を持ちます。
