虫歯にならない子供(人)の特徴?
歯磨きに一生懸命に取り組んでいるのに、どうしても虫歯になってしまう、という人がいます。一方で、あまり歯磨きをしていないのに、虫歯にならないという人もいます。 もちろんこれは、「歯磨きに意味がない」ということではありません。歯磨きは、確実に虫歯リスクを低減させてくれます。 同じレベルの歯磨きをしているという前提であれば、虫歯になりやすい人・なりにくい人を分ける大きな要素として、「唾液の量」「エナメル質の抵抗性」「虫歯菌への感染の有無」が挙げられます。また、普段口にしている食べ物・飲み物の選び方も関係しています。
磨きをしていなくても虫歯にならないのはなぜ?
唾液の量
唾液には、「自浄作用」と「再石灰化作用」という大きな作用が備わっています。自浄作用とはお口の中が洗い流す作用のことであり、再石灰化作用とは溶け出したミネラルが歯質に戻される作用のことです。
この2つの作用を最大限に働かせるためには、唾液の分泌が盛んであることが大切です。
エナメル質の抵抗性
虫歯菌が出す酸に対するエナメル質の抵抗性(溶けにくさ)には個人差があります。エナメル質の抵抗性が高いほど、虫歯になりにくく、また進行しにくいと言えます。
虫歯菌への感染
そもそも虫歯菌に感染していなければ、虫歯にはなりません。虫歯菌は、生まれたばかりの赤ちゃんのお口には存在しません。その後、大人(主に親御様)から感染し、虫歯リスクが生まれます。
キスや食器の共用、食べ物を冷ますときのフウフウという息かけなどが、主な感染経路と言われています。
虫歯にならない・なりにくい飲み物 ベスト3
以下の飲み物は、基本的に虫歯のリスクがありません。反対に、清涼飲料水などの甘い飲み物は、虫歯リスクが高くなります。
水
歯を磨いたあと、夜中に喉が渇いたときなどにおすすめなのが、水です。虫歯だけでなく、着色のリスクもありません。もちろん、普段からの飲み物としてもおすすめです。
お茶
お子様の場合は、ノンカフェインでミネラルを豊富に含む麦茶がおすすめです。
無糖のコーヒー・無糖の紅茶
10歳以上のお子様であれば、無糖のコーヒー、無糖の紅茶も選ぶのもよいでしょう。
ただ、カフェインを含みますので、就寝前に飲むことは避けましょう。また、無理にコーヒーや紅茶を選ぶ必要はありません。コーヒーや紅茶を飲むのであれば、無糖がベストという点にご注意ください。
虫歯にならない・なりにくい食べ物 ベスト3
虫歯にならない・なりにくい食べ物をご紹介します。
カルシウムが豊富な食べ物
歯の形成を助けてくれる「カルシウム」が豊富な食べ物です。
チーズ、ヨーグルト、小魚などが挙げられます。おやつなどにも取り入れやすい食品ですね。大豆にも、豊富なカルシウムが含まれています。
ビタミンDが豊富な食べ物
カルシウムの吸収を促進してくれるのが、ビタミンDです。
サケ、マグロ、サバなどの魚、バター、キノコ類などが挙げられます。
またビタミンDは、日光を浴びることでも体内で産生されます。
ビタミンAが豊富な食べ物
歯の表面を強化してくれるのが、ビタミンAです。
ニンジン、ホウレンソウ、かぼちゃ、ウナギなどが挙げられます。
いずれも、料理に取り入れやすい食品です。
虫歯にならない子供(人)になるために
いかがでしたでしょうか。虫歯リスクは、歯磨きだけによって決定されるわけではないことが、お分かりいただけましたでしょうか。 おさらいとして、虫歯にならない子供(人)になるためのポイントを3つ、挙げていきます。
虫歯菌に感染させない
そもそも虫歯菌に感染していなければ、虫歯にはなりません。キス、食器の共用、食べ物を冷ますときのフウフウという息かけなどは、できる限り避けましょう。
生涯虫歯菌に感染しないということが現実的に難しいのは事実ですが、感染の時期を少しでも遅らせることが大切です。
定期的なフッ素塗布などの予防に努める
歯質を強化し、歯の再石灰化を促してくれる「フッ素塗布」などの予防に努めましょう。奥歯の溝を予め樹脂で埋めておく「シーラント」も有効です。
食べ方に注意する
よく噛んで、唾液の分泌を促すようにしましょう。やわらかいものばかりだと、どうしても咀嚼が少なくなります。年齢に応じて、適度に硬いものも食べさせるようにしましょう。
虫歯になりにくい飲み物・食べ物を積極的に普段から食事に取り入れることも大切です。