「まわりのお友達が永久歯に生え替わっているのに、うちの子はその気配がない…」
そういった生え替わりの遅れを心配してご相談に来られる親御様は少なくありませんが、ここでの「遅れ」というのはあくまで平均と比べてのことなので、過度に心配する必要はありません。 ただし、個人差ではなく何らかの問題によって永久歯の萌出の遅れが生じていることもあります。気になる場合には、お早目に当院にご相談ください。
永久歯が生えてこない主な原因
永久歯がなかなか生えてこない原因には、以下のようなものがあります。
個人差によるもの
身体の発育に個人差があるように、生え替わりの時期にも個人差があります。少し遅いからといって、それほど心配する必要はありません。
乳歯の欠損によるもの
重度の虫歯などによって乳歯を失ってしまった場合、顎の骨が少し硬くなり、永久歯が生えてくるのに苦労をすることがあります。時間はややかかりますが、通常、問題なく生えてきます。
スペースの不足によるもの
顎が小さいことなどでスペースが不足し、永久歯がスムーズに生えてこないケースです。また遅れて生えてきた場合も、正しくない位置であることもあり(八重歯など)、その場合は矯正治療が必要になります。
永久歯が存在しないことによるもの
そもそも、永久歯が存在しないということがあります(永久歯の先天性欠如)。この場合は、永久歯に押し出されることもないため、乳歯が残ります。ただし、この乳歯を生涯使っていくというのは現実的には難しく、虫歯や歯周病をきっかけとして早くに失われてしまうことが懸念されます。
乳歯を失った後には、インプラント、入れ歯、ブリッジ、矯正治療などが必要になります。
歯茎が厚いことによるもの
歯茎が厚く、永久歯が生えてくるのに苦労するケースです。小さな切開を加えて、萌出を促すことが可能です。
それでも生えてこない場合には、永久歯を引っ張り上げる治療が必要になることがあります。
3ヶ月~半年も永久歯が生えてこなくて心配…期間はどのくらい?
永久歯が生えてこない、伸びてくるのに時間がかかるという場合も、多くは個人差によるもので、特別な治療は必要ありません。ただし、永久歯が生える時期の目安から半年以上遅れているケース、片側の永久歯だけ生えてこないケースなどは、詳しい検査をする必要があります。
永久歯が片方だけ生えてこない場合
通常、永久歯は左右対称のタイミングで生えてきます。そのため、「右側の永久歯が生えてきたけれど左側の同じ位置の永久歯が生えてこない」という場合には、左側の永久歯に何らかの問題が生じている可能性があります。
気づいた時点で、お早目にご相談ください。
永久歯が生えないままだとどうなる!?
ある永久歯が生えてこない状態を放置しているあいだにも、他の永久歯は生えてきます。
特に乳歯が抜けている場合には、そこにスペースが生じるため、他の永久歯が移動を始めます。
もし後々永久歯が生えてくるようなことがあっても、すでにスペースが失われているため、誤った位置から生えるなどして、歯並びが乱れる原因になります。
なかなか生えてこない永久歯への治療法
歯茎が厚い・乳歯の欠損で生えるのが遅れている場合
歯茎を小さく切開することで、永久歯の萌出を促すことができます。
それでも永久歯がなかなか生えてこない場合には、その永久歯を引っ張り出す治療を行います。
遅れて生えてきた場合
遅れた場合であっても、正しい位置に生えてきたり、生えたあとに自然に移動すれば問題ありません。
そうでない場合には、矯正治療により永久歯を正しい位置へと移動させる必要があります。
永久歯が存在しない場合
残った乳歯を、なるべく大切に使い、長持ちさせます。しかし、生涯使い続けることは難しいため、乳歯を失ったあとは、インプラント、入れ歯、ブリッジ、矯正治療などを行います。