子供の虫歯は進行速度が早い
乳歯の虫歯は、永久歯の虫歯と比べて進行速度が早くなります。
これは、エナメル質が永久歯よりも薄いことに原因があります。エナメル質が溶け始めたと思ったらすぐに穴があき、象牙質、あるいは神経にまで虫歯が進行します。
仕上げ磨きの際には、黒っぽい変色、茶色っぽい変色、ホワイトスポットの有無を注意して見てあげてください。早期であればあるほど、お子様の治療の負担も軽減されます。
虫歯の進行速度が加速する要因
もともと虫歯の進行が早い乳歯ですが、さらにそのスピードを加速させてしまう要因というものがあります。
歯磨きが正しくできていない
歯磨きが正しくできていないと、プラークが残り、虫歯菌も多くなります。虫歯菌が多いほど、虫歯の進行が早くなります。
糖質の摂り過ぎ
虫歯菌のエサとなる糖質を摂り過ぎると、虫歯菌の活動はより活発になり、虫歯の進行が早くなります。
お米やパンなどで食事として適切な量を摂ることは大切ですが、あまいお菓子、清涼飲料水はできる限り避けましょう。
食事・おやつをダラダラ食べる
ダラダラと時間をかけて食べると、お口の中が酸性になる時間が長くなります。ミネラルが溶け出す脱灰に、唾液による再石灰化が追い付かなくなり、虫歯が進行します。
よく噛まない
あまり噛まずに飲み込む癖があると、唾液の分泌が少なくなり、溶け出したミネラルを戻してくれる再石灰化の作用が十分に機能しません。脱灰が進み、虫歯が早く進行します。
進行速度を抑えるには?
虫歯の進行速度を抑えるためには、以下のようなことが重要になります。
食後すぐの正しい歯磨き
三食だけでなく、おやつのあとも、必ず歯磨きをしましょう。食後すぐに歯を磨く習慣を身に付けることが大切です。また、できれば、フッ素配合の歯磨き粉を使用しましょう。磨き方は、歯科衛生士から指導された方法を実践してください。
フッ素塗布
歯の再石灰化を促し、歯質を強化する「フッ素塗布」は、虫歯の予防だけでなく、進行の抑制にも有効です。
3~4ヵ月に1度、定期的に受けることが大切です。
食べ方、おやつの内容の改善
よく噛ませること、ダラダラと食べさせないことに重点を置いてください。家族で一緒に、きちんとテーブルで食事を摂る習慣があると、これらのことを習慣づけやすくなります。
またおやつについては、あまいものを避け、おせんべい、小魚、ヨーグルトなど、虫歯になりにくいものがおすすめです。
サホライド
歯科医院にて、サホライドという薬剤を虫歯部分に塗布することで、虫歯の進行を抑えます。歯を削る本格的な治療が難しい年齢のお子様が虫歯になったときなど、よく使用されています。
進行止めの市販薬は?
虫歯の進行を抑えるサホライドのような薬は、薬局・ドラッグストアなどでは売られていません。医療機関である歯科医院でのみ、使用されます。
フッ素入りの歯磨き粉、洗口液などはさまざまな種類のものが市販されています。ご家庭での対策には、こちらを使用しましょう。