赤ちゃんの頃からの予防が一般的になり、お子様の虫歯は減少しています。
しかし、顎やお口まわりの筋肉の発達の不足などを原因として、お子様の歯並びの乱れは増加の傾向にあります。
これには、食生活の変化や口をポカンと開ける癖などが関係していると言われています。
また、寝つきが悪いお子様は、口呼吸などによる睡眠時無呼吸症候群を起こしている可能性もあります。
子供の偏食が気になる
誰にでも食べ物の好き嫌いはありますが、栄養として代用となるものを食べられるのであれば、身体の成長や健康維持に大きな支障はありません。
しかし、たとえば「ほとんど〇〇しか食べない」というような偏食は、当然ながら栄養の偏り、そして心身への成長・健康への影響が懸念されます。
偏食の原因は咀嚼障害かも!?
偏食の原因の1つに、咀嚼障害が挙げられます。
歯並びや噛み合わせの乱れによって、食べ物をうまく咀嚼できない状態です。
咀嚼障害があると、簡単に飲み込めて楽にお腹を満たせる、やわらかいものばかり・飲み物ばかりを好んでしまうことがあります。
できるだけ好き嫌いなく食べてもらうことは大切ですが、まずはそれができる歯並び・噛み合わせを、親御様と歯科医院が協力して用意してあげなければなりません。
子供の口がポカンと空いている
テレビを観ているときなど、お子様のお口がポカンと開いていることはありませんか?
このような状態を一般に「口ポカン」と言います。口ポカンは、主にお口まわりの筋肉の発達が不十分であることを原因として起こります。
口ポカンをそのまま放置していると…
口をポカンと開けているお子様は、すでに口呼吸が癖になっている可能性が高いと言えます。
口腔が乾燥することによって唾液の自浄作用が十分に機能しないため、虫歯・歯肉炎・口臭のリスク上昇が懸念されます。
将来的には、歯周病のリスクも高くなるでしょう。
また、口ポカンや口呼吸は、主にお口まわりの筋肉の発達が不十分であることによって起こるため、今後、歯並びが乱れていく可能性が高くなります。
子供の寝つきが悪い
寝つきが悪い、あるいは寝起きが悪いという場合には、睡眠の質が十分に確保できていない可能性があります。そしてその原因の1つとなるのが、口呼吸です。
口呼吸のお子様は、寝るときに舌が気道を塞いでしまいやすく、そのために睡眠時無呼吸症候群をきたしていることがあります。
口腔の健康や身体の発育への影響、日中の集中力低下・学業への支障なども懸念されますので、一度いびきをかいていないかチェックしてみてください。
子供の偏食・口ポカン・寝つきの悪さの治し方
咀嚼障害による偏食、口ポカン、寝つきの悪さに共通し得る問題として、お口まわりの機能が不十分であることが挙げられます。
当院では、トレーニングによってお口まわりを鍛える「MFT(口腔筋機能療法)」によって、これらの癖・習慣を改善する治療を行っています。
MFTは、歯並びの乱れの改善・予防にも有効です。
偏食や口ポカン、寝つきの悪さは「口腔機能発達不全症」の場合も …
偏食、口ポカン、寝つきの悪さがある場合には、「口腔機能発達不全症」も疑われます。
口腔機能発達不全症とは、呼吸する・食べる・話すという私たちに不可欠な口腔機能が十分に発達してない状態を指します。
主に、母乳・ミルク・離乳食などの誤った与え方などを原因としています。
舌が正しい位置に収まらない、口呼吸などにつながることで、偏食、口ポカン、寝つきの悪さなどを招きます。
自然に治るものではなく、MFTによる口腔機能の改善が必要です。
また、赤ちゃんのうちから受診していただければ、母乳・ミルク・離乳食の正しい与え方のアドバイスもさせていただきます。