インプラント治療の流れ
1カウンセリング
インプラント治療においてカウンセリングはとても重要なステップです。患者様お一人おひとりにゆっくりと時間をとって、丁寧に歯のお悩みやご希望などをおうかがいさせて頂きます。
インプラントの治療内容やメリット・デメリットなどについても詳しくご説明させて頂きますので、わからないことや不安なことなどがございましたら何でも気軽にお尋ねください。
患者様お一人おひとりのお話を丁寧におうかがいして、最適な治療方法をご提案させて頂きます。
2口腔内の診査・診断
残存歯の本数、顎の骨や歯茎など、患者様のお口の中の状態を詳しく診査・診断します。虫歯や歯周病が見つかった場合には、それらの治療を優先させます。また、安心・安全なインプラント治療を行うために全身疾患の既往歴などについても確認させて頂きます。
3精密検査
インプラント治療をより安全に行うために、基本検査のほか、デジタルレントゲン、歯科用CTなどを使用して精密検査を実施します。インプラント治療を施す部位だけでなく、お口全体をしっかりと診て最適な治療方法やインプラント体などを選択します。
4治療計画
精密検査の結果などをもとに、患者様お一人おひとりに最適な治療計画を作成します。インプラント治療のリスクについても包み隠さずきちんとお話ししますので、ご納得頂いた上で治療を受けられるかどうかお選び頂ければと思います。
作成した治療計画に基づいて、治療費もお見積りさせて頂きます。
5インプラント体埋入のシミュレーション
CTスキャンから採取した画像データをもとに患者様の顎の骨を3D化し、立体画像を用いてインプラント体埋入のシミュレーションを行います。当院では最新のインプラント解析診断システム「BioNa(ビオナ)」を導入しており、従来は確認できなかった歯周組織や歯茎内部などの状態が詳細に把握できるので、これまで以上に安心・安全なインプラント治療が可能となります。
患者様にもモニター上でシミュレーションをご覧頂けますので、治療に対する不安の軽減や、治療計画のご理解などにも役立ちます。
6サージカルガイドの作成
「BoneNaviSystem(ボーンナビシステム)」を使用してサージカルガイドを作製し、事前のシミュレーション通りに手術が行えるようにします。サージカルガイドとは、インプラント体を顎の骨に埋入する時の位置や深度、角度などを正確に導くためのテンプレートで、これを取り付けることで手術中のドリリングのミスなどを最小限に抑えることができるようになります。
サージカルガイドの使用は手術の安全性が向上するだけでなく、手術時間を短縮させることが可能なので、患者様のお体への負担軽減にも繋がります。
7インプラント体埋入(1次手術)
局所麻酔を施した後、サージカルガイドを使用してシミュレーション通りに手術を行います。1次手術では顎の骨にインプラント体(人工歯根)を埋め込みます。患者様によっても異なりますが、手術時間は1~2時間程度です。
8治癒期間
埋入したインプラント体が顎の骨と結合・定着するまで待ちます。骨の状態や患部によっても異なりますが、通常、3ヶ月程度の治癒期間が必要となります。
治癒期間中は仮歯を入れることが可能ですので、日常生活にほとんど支障はありません。
9アバットメント装着(2次手術)
埋入したインプラント体が顎の骨と結合・定着するまで待ちます。骨の状態や患部によっても異なりますが、通常、3ヶ月程度の治癒期間が必要となります。
治癒期間中は仮歯を入れることが可能ですので、日常生活にほとんど支障はありません。
10上部構造(人工歯)装着
アバットメントを装着したら、歯の土台(コア)を形成して上部構造(人工歯)を作製・装着させます。
咬み合わせ、歯並び、歯の色などを詳細にチェックして、品質の高い被せ物(クラウン)をご提供します。
11メンテナンス
インプラントを長期間快適に使い続けるためには、ご自宅での適切なケアと、歯科医院での定期メンテナンスが欠かせません。当院では、基本的に3ヶ月に1回程度のペースでメンテナンスを受けられることを推奨しています。
セルフケアやメンテナンスを怠ると、「インプラント周囲炎」を起こしてせっかく入れたインプラントを失ってしまう場合があります。そうならないためにも、当院で定期メンテナンスを受けられて、お口の中を健康な状態に保つようにしましょう。
手術前に
注意して頂きたいこと
全身疾患がある方は必ずお申し出ださい
インプラント治療では外科的処置が必要となりますので、糖尿病や高血圧などの全身疾患をお持ちの方は必ずお申し出ください。症状によっては主治医に手術の是非を相談する場合もあります。
日常的に服用している薬がある方は必ずお申し出ください
日常的に服用されているお薬がある方は、必ず事前にお申し出ください。動脈硬化や糖尿病のお薬など、種類によっては手術前の服用を控えて頂く場合もあります。
中止する可能性があるお薬
一時的な中止を検討する主だった薬は、以下のようなものです。必ず、服用中の薬すべてについてお申し出くださいますよう、お願いします。
- 経口避妊薬(ピル)
- 動脈硬化、高血圧の治療薬
- 糖尿病の治療薬
- 抗凝固薬(血液をサラサラにする薬)
- 骨粗鬆症の治療薬
- 非ステロイド系抗炎症剤
- ステロイド薬
- 向精神薬
手術前日の注意事項
- 十分に睡眠をとって体調を整えるようにしてください
- 静脈内鎮静法による手術をご希望の方は、手術後にふらつきが残る可能性がありますので、ご自身の運転によるお車やバイクなどでのご来院はお控えください
- 女性の方はできるだけメイクを控えて頂き、爪を短く切り、マニキュアも落としておくようにしてください
- 手術を行う前には抗生物質や痛み止めを服用して頂きます
手術当日に
注意して頂きたいこと
食事を早めに済ませておくようお願いします
手術前の最後の食事は、ご予約された時刻の4時間前までに済ませておくのが目安です。これ以降は何も食べず、また水以外の飲み物をお控えください。
ゆったりした服装でお越しください
手術で服を脱ぐことはありません。しかし、身体を締め付けるような服装は、血圧などに影響することがあるためお控えください。身体を締め付けない、ゆったりとした服装でお越しください。
ノーメイクで、マニキュアも落としてお越しください
手術の際、お口の周りを消毒します。また指先に、血圧を測る機器を取り付けます。
そのため、ノーメイク、マニキュアなしでお越しください。人目が気になる方は、サングラスや帽子をお持ちください。
車・バイクでのご来院はお控えください(静脈内鎮静法を併用する場合)
静脈内鎮静法を行う場合、当日中はお車・バイクの運転ができなくなります。そのため、ご来院の際も、お車・バイクでのお越しはお控えください。
公共交通機関、またはご家族の運転する車などでお越しくださいますようお願いします。
食事の再開は麻酔が切れてから、やわらかいものを
麻酔は手術後1~2時間ほどで切れますので、それから食事を再開するようにしてください。また、患部を刺激しないよう、やわらかいもの(おかゆ、スープなど)を食べるようにしてください。
手術当日はシャワーで済ませてください
血行が良くなると腫れや出血がひどくなるため、当日はお湯に浸からず、シャワーのみとしてください。
痛み・腫れが出たときの対応
痛みについては、処方する痛み止めを服用していただければ、日常生活に問題はありません。
腫れについてはコントロールが難しいものの、冷やしタオルを当てるなどすると多少は抑えられます。ただし、冷たすぎるものは傷口の治りを遅くすることがあるため、お控えください。
手術後に
注意して頂きたいこと
出血について
手術当日はできるだけうがいをしないようにしてください。頻繁にうがいをすると出血が止まらなかったり、痛みが発生したり、治癒が遅れたりする場合があります。
通常、手術後1日程度は唾液に血が混ざりますが、出血が多いようであれば清潔なガーゼか脱脂綿を傷口にあてて、20分程度噛むようにしてください。それでも出血が止まらない時には当院までご連絡ください。
痛みについて
手術後、すぐに鎮静剤を服用して頂きますが、その後も痛みが続くようでしたら再度鎮静剤を服用するようにしてください。歯科医師が鎮静剤の服用方法をご説明しますので、必ずそれに従うようにしてください。鎮静剤以外のお薬を服用する時も、お体に急な異変が起きた時でない限りは歯科医師の指示に従うようにしてください。
腫れについて
患者様によっては、手術後に腫れや内出血が発生する場合もあります。腫れがある場合には、冷たい水などで冷やすようにしてください。氷など極端に冷たいもので冷やすとかえって悪化させてしまう恐れがありますのでご注意ください。内出血は通常、数日程度で自然に消えますので過度に心配する必要はありません。
食事について
手術後に食事を摂る時は、なるべく柔らかいものを患部と反対側の歯で噛むようにしてください。香辛料などの刺激物はお控えください。
手術後の注意事項
- 入浴は控えて、シャワーだけで済ませるようにしてください
- 2週間程度は飲酒・喫煙をお控えください
- 2~3日程度は激しい運動はお控えください
- 患部を指や舌で触らないようにしてください
- 毎食後・就寝前には処方された含嗽剤で患部を消毒してください
- できるだけ入れ歯は使用しないようにしてください
- 患部に強い力を加えないようにしてください
インプラント手術後は
どのような食事をするべき?
手術当日から数日間は、あまり噛まなくても食べられるものを食べましょう。
反対に、硬いもの、刺激物などは避けなければなりません。
おすすめの食べ物
- おかゆ
- 具のやわらかいスープ、味噌汁
- 煮込んだうどん
- リゾット
- ゼリー、プリン、ヨーグルト
避ける方がよい食べ物
- 肉類、繊維質の野菜などよく噛む必要があるもの
- カレー、キムチなどの刺激の強いもの
- レモンなどの酸味の強いもの
- 極端に熱いもの、冷たいもの
- フランスパン、せんべい、ナッツ類など硬いもの