親知らずの抜歯
親知らずについて
親知らずとは正式には「第三大臼歯」と言い、歯列の一番奥から生えてくる歯(生えて来ない方もいます)のことで、通常、10代後半から20代前半ごろに生えてきます。
最近は顎の小さな方が増えているため、親知らずが正常な方向に生えてこず、横向きや斜め向きなどに生えてきて、隣の歯の虫歯の原因となったり、隣の歯を押して歯並びの乱れの原因となったりすることがあります。
こうした場合には、抜歯を検討するべきであると言えます。
一方、上下の親知らずがまっすぐ生えていてしっかりと噛み合っている場合などには、抜歯する必要はないと言えます。
親知らずを抜歯した方が良いケース
隣の歯の虫歯の原因となっている
親知らずが正常な方向に生えてきておらず、横向きや斜め向きなどに生えてきている場合には、隣の歯のブラッシングを阻害して、虫歯の原因となることがあります。こうした時には、親知らずを抜歯してから虫歯の治療を行わなければいけない場合があります。
親知らずが虫歯になっている
親知らずは奥歯の一番奥から生えてくるため、歯ブラシが届かずに虫歯になってしまうことがあります。こうした場合には、親知らずの抜歯を検討する必要があります。
歯茎が腫れている・痛みが発生している
親知らずが歯茎の下に隠れていて、その隙間に汚れが溜まると、歯茎が腫れたり、痛みが発生したりすることがあります。こうした場合には、親知らずの抜歯を検討する必要があります。
歯並びの乱れの原因となっている
親知らずが正常な方向に生えてこず、横向きや斜め向きなどに生えてきて、隣の歯を押して歯並びの乱れの原因となったりすることがあります。こうした場合には、親知らずの抜歯を検討する必要があります。
顎が腫れている・痛みが発生している
親知らずと歯茎との間に細菌が侵入すると、顎が腫れたり、痛みが発生したりすることがあります。こうした場合には、親知らずの抜歯を検討する必要があります。
妊娠前に親知らずの抜歯を検討しましょう
妊娠中でも5ヶ月目以降であれば親知らずの抜歯を行うことができ、麻酔の使用も問題ありませんが、より安心・安全に出産を迎えるためにも、痛みなどのトラブルを引き起こす危険がある親知らずは、妊娠前に抜歯しておくことをおすすめします。
妊活に取り組まれているなど、これから妊娠する予定がある方は、一度当院でお口の中の健康状態をチェックするようにしましょう。
お口の中に虫歯菌や歯周病菌がたくさんいると、生まれてきた赤ちゃんにうつしてしまう危険があります。
また、妊娠中は女性ホルモンの分泌量が増加したり、唾液の分泌量が減少したりするため、虫歯や妊娠性歯周炎にかかりやすくなりますので、妊娠前に、遅くても妊娠がわかって時点で一度当院へご相談ください。
顎関節症
顎関節症について
顎関節症とは、「口を開けようとすると顎が痛む」「顎を動かすとカクカクと音がする」「あまり大きく口が開かない」などの症状を総称したものです。
主な症状には上記のほかに、「急に噛み合わせが変化した」「顎が閉じない」などもあり、これらのいずれか1つ、またはいくつかが重なって現れます。
顎関節症の症状
主な症状
- 口を開けようとすると顎が痛む
- 顎を動かすとカクカクと音がする
- あまり大きく口が開かない
- 急に噛み合わせが変化した
- 顎が閉じない
その他の症状
- 頭痛
- 首の痛み・こり
- 肩の痛み・こり
- 耳鳴り、耳の詰まり、難聴などの耳の症状
- めまい
- 舌の痛み
- 味覚異常
- 目の疲れ
- 口の乾燥感
など
顎関節症の原因
顎関節症の原因ははっきりわかっていませんが、次のような要因が複雑に絡みあって発症すると考えられています。
- 食いしばり・歯ぎしり
- いつも片方の歯でものを噛む
- 悪い姿勢
- いつも体の片方を下にして寝る
- 噛み合わせの乱れ
- 顎の外傷
顎関節症の診断
現在、顎関節症の診断には確実な基準がないため、他の病気で除外していく消去法で診断します。
「口を開けようとすると顎が痛む」「あまり大きく口が開かない」などの症状は他の病気でも発生することがあるため、慎重な診断が求められます。
顎関節症以外で顔面に痛みを感じる病気
- 口や顎の近くの気管の病気
- 頭蓋内の病気
- 全身疾患の一部としてみられる病気
- 頭痛
など
顎関節症以外で口が大きく開けられない病気
- 顎関節の骨折・腫瘍・奇形・脱臼・感染症・炎症など
- 筋の委縮・外傷・炎症・拘縮など
- 神経の腫瘍・炎症・ウイルス感染など
など
顎関節症の治療
レーザー治療
炎症を起こして痛みなどの症状が現れている部分にレーザーを照射することで、自然治癒力を促進して症状を軽減させます。
薬物療法
鎮痛剤や消炎剤を処方して、痛みなどの症状を軽減させます。
スプリント療法
「スプリント」と呼ばれるマウスピースを就寝中に装着して、食いしばりや歯ぎしりなどによる顎への負担を軽減させます。